ジョー・パス(Joe Pass)

1929~1994
この人を“ヴァーチュオーソ”(名人)と呼ばずとして誰を呼ぶ、とばかりの文字通り名人中の名人であるギタリスト。全て独習ということであるが、テクニックだけでなく、フレージングも先人をよく研究し洗練されたもので、ギターのみならず、全ての楽器の人が参考にすべき存在。

ニュージャージー州に生まれるが、イタリア、シシリー島出身の父を持つ。
9歳の時初めてギターを手に入れ、14歳でバンド活動を始めるが、演奏旅行でニューヨークに行くようになると麻薬に手を出し始め、50年代をほとんど棒に振る。
50年代末に、麻薬患者更正施設“Synanon”に2年半の間入所し、その間に徹底的に自らのテクニックを磨いたという。

施設を出たジョーは62年、アルバムをリリースするも、ロサンジェルスを拠点にテレビ・ショーやスタジオ・セッションで糊口を凌ぐことになる。やがてロスのジャズ・クラブでの演奏、コンコード・ジャズからのアルバム・リリースが相次ぎ、ノーマン・グランツの目に留まることとなり、ノーマンが新しく設立したレーベル、パブロと契約、名盤“Virtuoso”がリリースされる。
これにより、ジョーは世界的名声を獲得、さらにその後のオスカー・ピーターソンニールス・H・O・ペデルセン各名人との“The Trio”はグラミー賞を受賞。
Virtuoso
Joe Pass、1973
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